回想、クリスマス休暇

・回想。透けるように薄い磁器製の薄い透かし細工の器をガラスケースから両手でそっと持ち上げて、毛足の短い絨毯が敷かれた床に置き、写真を撮影してから、再び同じ場所に戻した。

・回想。落ちて壊れてしまったガラスを女性らが集まって片づける。

・回想、遠心力(振り回されているひとに振り回されているひとに、振り回される)。突然、自分の怪我の治療をしなくてはならなくなったため、厄介な場所に戻り、厄介な用件に対処する(というか、それを分け合う)ことになってしまった。その時、本当に抱えていた用件はいちど手放すともう私の手に戻ることはなく、今は他人の仕事をマークするのみである。厄介な問題に取り組んでいたひとに(何年も経ってはじめて柔らかく)そのことについて話すと「あら、そう、ごめん…」というやはり柔らかな答えが返ってきた。本当のところは、自分の計画性と集中力の欠如が原因だろう、というか、混乱に身を委ねる誘惑に負けたということだ。先を見越して、身体を繕うこともひとのことも忘れるべきときには忘れられるようにならなくては、また同じことを繰り返してしまいそうだ。

・回想。岐路にあるひととの安らげるひととき。相手も岐路を歩いているゆえに、緊張感を持ちながら安らいでいる。岐路を歩いているゆえに互いに相手をおそれている。(数年前と似ているが、当時は失敗してしまった。)