公園の小さな建物。


11月13日、金曜。

・冬支度と旅の準備。夢のようだったいっかげつがひと段落してちょっと虚しいのだけれど、来月の旅が待ち遠しい。
・まちに向かって歩けば、左手に背の高い針葉樹がつくるカーテンの裾から、アーミーグリーン一色のジープがきれいに並ぶ様子がのぞいている。たまに、戦車も並びに加わっていることもあるのだけれど、このときは見られなかった。「ベール越しの戦車」という構図には、札幌にいたときから、なにか心ひかれるものがあった。
・牛朱別(うしゅべつ)川に掛かる橋を歩いて渡り、さらに進むと小さな公園があり、その中に丸くカーブを描いた壁に沢山の窓のある小さな会館があった。白っぽいカーテンごしに光が透けていて、なかに何人いるのかわからないけれど、カマクラのように冷たいようなあたたかいような感じだった。

・来週から車の運転の練習を再開する。さっきふと、砂澤ビッキについて調べていて、彼が若いころ農業をしていたときの入植地がまさに運転の練習をする道ぞいにあるらしいことがわかった。夏には、くわがたむしがまばらな電灯の下に落ちているようなところ。

11月27日、金曜。

・車の運転はまだ始められず。例の練習(予定)道の道沿いで、1985年に「サーキュレーション」という面白そうな展示が行われたことを知る。当時小学生だった私の記憶にはない。
 リアルタイムを知らないことに、また、ぶつかりそうな予感。「知らないくせに」って言われるかもしれない。大切なものは、たとえ同時代性の中でだけ共感されてきたものであっても、世代を超えて語り継がれるときがいつか来ると思っているから…でも、どうしようか。