空港、木彫りの熊。

10月1日、藤原吉美氏の木彫りの熊。
「スゴイ木彫りの熊がある!」とのうわさを聞いて旭川空港へ駆けつけました。それは「木彫藤原」藤原吉美氏作の熊です。

展示キャプションより。

1949年 上川郡東神楽町生まれ。
1964年 旭川市にて木彫り業界に入る。
1967年 旭川木彫技能協議会 旭川市長賞。
1984年 北海道秀作民芸品賞 秀作受賞。その他50の賞を受賞。現在、シマフクロウを中心に制作。

 こぶしが利いているな〜。というかんじ。
 
 リアリズムを超えて、コブシが利いている、と情感が込められているさまに、とにかく圧倒されます。一家に一匹の「木彫りの熊」といえども、憂いを帯びたまなざしから目が離せないのは、彼の熊をおいて他にはないでしょう。64年から現在に至るまで制作を続けているようで、その45年に及ぶ足取りに心ひかれます。
 お尻と手足の質感がすごい。鼻先や足先の丸く生々しい細部とやわらかな感触の再現に恐ろしいほどの描写力が顕れております。こうした独特の情感を「鮭をくわえた熊」を、木彫りの、定番のスタイルだからこそのテンションで表現をしている点は面白いです。

 個人的には、もう少し省略した表現が好きですが。