「‘文化’資源としての炭鉱2」

第69回Cafe Talk + Tadashi KAWAMATA:「‘文化’資源としての炭鉱2」
7月30日(木)<ゲスト>キートン山田(俳優・声優・ナレーター)+川俣正

 ゲストはお二人とも北海道の炭鉱町出身。三笠の炭鉱町で若い頃を過ごしたお二人がその頃の情景を子細に語る。炭鉱育ちがこれほどまでプロジェクトに反映されているというのは新鮮だった。モダンでどこか殺伐とした町の肌ざわりと、その場所のにわか景気に群がっては遺棄する人々の軽さを感じる情景が、もの悲しくも粋に見えてくる。

 他県でもアート町興しをしている川俣正さんが、炭鉱で炭鉱ネタを演ってしまった、道内の有名劇団の失敗例を披露していた。また炭鉱を経営していた企業について説明しているときもなかなかよく、いち労働者(の家族)という目線から、企業からの目線へと反転する語りに、故郷との隔たりと成熟を感じた。

 キートン山田さんが、演ずるという話になると熱心になる様子に役者魂を感じたし、声優として現場でいかにメンタル面を崩さずに演ずるところまで持ってゆくか、それが大切だということを語っていたことに感銘を受けた。